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NPO法人のデメリット

  • 活動内容に制約がある

NPO法人化により、総会又は理事会での合意が必要になり、任意団体の時のように、思いついたらすぐに行動するといった、機敏な活動は一切できなくなります。また、事業内容は定款の制約を受け、事業内容を変更しようとすると定款の変更が必要になります。定款変更のためには、社員総会を開いて決議をし、さらに所轄庁認証を得る必要があります。定款変更も設立と同じく4ヶ月程度の期間を有するので、すぐに変更できるわけではありません。

  • 設立に時間がかかりすぎる

NPO法人の設立にかかる時間ですが、
    設立申請書類作成                     約2週間
    申請書類を受け取ってもらうための役所との折衝  約10日
    役所での審査期間                     約3ヶ月半
    登記申請に必要な期間                  約10日
  ---------------------------------------------------------
             合       計              4ヶ月半
の時間がかかります。

 上で挙げた期間は標準的なものであり、大阪府や東京都などNPO法人の申請数が多い都道府県で設立する場合、役所での審査期間がまるまる4ヶ月かかってしまいます。よって、NPO法人で活動展開を考えられている人は最低でも活動を始められる5ヶ月~6ヶ月前に法人設立に着手しなければいけません。

 また、上の書類作成や役所での折衝の時間は弊社のような「設立のプロ」が担当した場合の時間であり、NPO法人の設立申請に慣れていない人が行ったとするとその3倍ぐらいの時間がかかるでしょう(はっきり言って、いつから活動できるか見当もつかないぐらい時間がかかります)。

 ちなみに、会社設立にかかる時間は3週間程度です(これも慣れた人が設立を担当した場合です)。

  • 厳正な事務処理が必要

経理は、正規の簿記の原則に基づいて処理を行う必要があります。よって、ある程度の知識を持った経理担当者が必要になるか、会計事務所等に経理を代行してもらう必要があります。また、事業所開設に伴い、法人としての種種の届出、手続きも必要ですし、当然変更するときは何ヵ所にも足を運ぶことになります。

 このほか、毎年、事業報告書や収支計算書などの資料の備え付けと、その資料の情報公開が義務づけられ、今までは表に出さなかった書類も万人に閲覧されることになります。具体的には、

事業報告書
収支計算書
貸借対照表
財産目録
役員名簿
社員名簿(正会員名簿)
といった書類を毎年提出しなければいけません。ということは当然、これらの書類を「毎年作成しないといけない」ということになります。

 また、NPO法人は会社と比べると定款の変更手続に手間暇がかかります(設立するのと同じぐらい時間がかかります)。よって、あまり小回りの利く法人形態とはいえません。

 これら事務負担を「すべて専門家に依頼する」ということならば、問題はないのですが(その分費用はかかります)、「すべて自分達で行うのだ」というならば、

パソコンを使用して書類を素早く作成できる
役所に足を運び、役所の方と打合せ・協議することがあまり苦にならない
というような人材を確保して事務作業にあててください。

  • 経営状況はガラス張り

「3」でも述べていますが、NPO法人は事業年度末の決算が終わると毎年、
    事業報告書   収支計算書   貸借対照表
    財産目録    役員名簿     社員名簿(正会員名簿)
NPO法人を管轄している所轄証(都道府県庁又は政令指定都市の市役所)に提出しなければいけません。

 提出したこれらの書類は何に使われるのか? というと
   「公衆への閲覧書類」
として使用されます。言い換えると「あのNPO法人の経営状態が知りたい」と都道府県庁に言いにいけば誰でも簡単に見ることができるということです。

 また、主たる事務所(本店)にも上記書類や定款などを備え置いておき、「この法人の○○の書類を閲覧したいのですが・・・」と言ってきた人達に、「はい、どうぞ」と閲覧させなければいけません。

 原則としてNPO法人は「経営はガラス張り状態」です。ここまで情報を公開しているからこそ、「イメージがよい」というメリットが生まれるのですが、活動を継続していくと「どうしても見せたくない書類(収支計算書など)」というのも発生してくるでしょう。隠したいことが多い団体はNPO法人の形態は向かないと思います。

 

  • 税務申告義務がある

従来、存在すら分からなかった任意団体が、法人化することによって納税主体として税務署に認知されますので、当然のことながら、法人として税務申告義務が生ずることになります。ただし、税法で定められた収益事業を行っていない団体は法人税の課税対象ではないため、税務申告はもちろん、税務署への届出も必要ありません(都道府県税事務所や市町村役場への届け出は必要です)。しかし、税務署が税法上の収益事業と判断した非営利事業は、法人税の対象となってしまいます。

 また、法人住民税(約7万円)はすべての法人にかかってきますが、収益事業をしない団体は免除されることがあります。そのためには毎年3~4月に減免のための手続きをする必要があります。(※減免申請書類の提出期限は各自治体によって異なります)

  • 財産の名義変更に関する諸問題

 今まで任意団体が所有してきた様々な財産についても、名義を変更しなければなりません。例えば、不動産の場合、名義を変えるためにはいくつかの税金がかかります。その他、自動車や事務所、さらに借入金なども、名義を変更する際にはそれぞれ手続きが必要です。